昨年4月より成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたようですが、私の中では、20歳=成人、 つまり「大人になる歳」と認識しています。ニュースで成人式の映像が映ると「今日から大人ですね、おめでとうございます」といったコメントをよく聞きますが、そもそも「大人」とは、どういう人でしょうか。
「今日から大人です」と言われても、いきなり別人になるわけではありません。日々のニュースなどを見ていると、何か問題が起こった時、人の上に立ち、要職に就いている人でも、妙に子供じみた言い訳をしているのを目にします。大人なのに、子供の喧嘩みたいなことをしている人もいます。大人の成熟度にも、個人差があるといったところでしょうか。
私が思う「大人」は「自分で蒔いた種は自分で刈り取れる人」です。つまり「自分の行動に責任が持てる人」です。自分の言動に責任を持ち、何かしでかしてしまった時には、後始末ができる人。そして若者の手本となるのも、立派な大人の使命と思っています。
昨年1月にこんな事件がありました。JR東北線の電車内で、喫煙を注意してきた男子高校生を殴るなどしたとして、傷害の疑いで、宇都宮市のホストクラブ従業員の男(28)が逮捕されました。
男は優先席に寝っ転がりながら加熱式たばこを吸っていました。同じ車両にいた高校生から「やめてもらえますか」と注意されると逆上。高校生を土下座させ、殴る蹴るの暴行をしたといいます。
この事件に対し、ソウル五輪金メダリストで元スポーツ庁長官の鈴木大地さんは「高校生が勇気を出して注意をして、それで逆にこういうふうになって、本当に私が高校生の親だったら抱きしめてあげたいっていうか掛ける言葉がないですし、周りで見ていた大人がもうちょっとだけ勇気を出してれば、また全然違う展開になったと思うんですけれど」と自身の思いをコメント。
実際に現場に居合わせたら相当の勇気がいると思いますが、私はこんなときに勇気を出して、助太刀できる大人になりたいと思います。
東名鍛工(株) 代表取締役社長 宮嶋俊介