12月になりました。極端な寒暖差の秋が終わり、今年も早いものであと1ヶ月です。今年の冬は、気象庁の発表によると、この先、来年1月にかけて、寒気の影響を受けにくく、気温は全国的に平年より高い見込みとのことです。「猛暑」もたまらないですが、「極寒」はもっとたまらない私にとっても少し安心した気象庁の発表でした。
さて9年前の2014年12月11日、新たに東名鍛工「以下:新東名鍛工」を設立し、そこに従来の東名鍛工「以下:旧東名鍛工」の全事業を2015年1月1日付で譲り受けました。ややこしい話ですが、株式譲渡ではなく事業譲渡という形で事業だけを引き継いだわけです。故に、実は旧東名鍛工と新東名鍛工はまったくの別会社です。会社名が変わるとお客様にもご迷惑をおかけすると考え、まったく同じ会社名で会社を興しました。
今年で丸9年。早いもので来年10年目を迎えます。引き継いだ当初は本当にしびれる毎日でしたが、退路を断ち「前へ進むしかない」と自分に言い聞かせ、必死に「日々前進」の精神で奔走してきました。
まだまだ課題だらけですが、おかげさまで神様も「ちょっとくらいご褒美あげよかな」と思ってくれたのか、仕事も少しずつですが増え始め、会社に良い風が吹きはじめ、活気がみなぎってみました。
そんな東名鍛工で、先日、オープンファクトリー(以下:ファクハク静岡)を開催しました。このファクハク静岡は、静岡市が先頭をきって、静岡市の製造業を一般公開して、普段なかなか目にすることができない製造現場をみてもらったり、職場体験してもらうことで、製造業に興味をもってもらうことを目的として企画されたものです。
今回その初年度となりますが、第1回目から参画させてもらったことは大変光栄なことであり、なにより引き継いだ当初は決して一般公開できるような工場ではありませんでしたが、今回、堂々とお見せできる工場へと進化を遂げたこと、とても嬉しく感無量でした。多くの来場者が東名鍛工に来ることなど、9年前には考えられなかったことですが、ここまでキレイにした東名鍛工の皆さんの努力には本当に感謝です。
7月のコラムで「意味のないことに意味がある、こともある」ことを書きましたが、今回のファクハク静岡は一見すると「意味のないこと」と感じる方もいてるかもしれません。が、実は意味のないことというのは「損得」で判断していたら絶対できないことであり、「善悪」で判断するがゆえに出来ることと思っています。「ファクハクに出たら会社が有名になる」とか「市から助成金がもらえる」とか「求人が増える」とかそんな打算的な考えではなく、「東名鍛工のことを地域の方にもっと知ってもらいたい」「鍛造の素晴らしさをもっと広めたい」という善意の気持ちが人々に感動を与え、結果として、会社の知名度もあがり、会社の魅力アップにもつながると私は思っています。
各社が様子見している第1回から参画した東名鍛工の名は「勇者」としてファクハク静岡史上に語り継がれることでしょう(笑)
これからも損得ではなく善悪を行動指針とし、良い風が吹き込むよう、精一杯努めたいと思います。
東名鍛工(株) 代表取締役社長 宮嶋俊介