人間である以上ミスはつきものです。この人間のミス、ヒューマンエラーを防ぐ手法として、チーズの穴の理論があります。このチーズの穴の理論は弊社会長がよく口にするのですが、入社したての頃の私はいったいなんのことなのか意味がわかりませんでした。
ちなみにチーズの穴の理論でいうチーズの種類ですが、スライスチーズでもなくカマンベールチーズでもなく、実はスイスチーズなのです
が、スイスチーズといえば、大小さまざまな穴があいていることが特徴です。このチーズの穴が重ならないように何枚もチーズの壁を重ね、ヒューマンエラーを防ぐという考え方がチーズの穴の理論です。
しかし、どれだけチーズの壁も設けようとも、チーズの穴を次々に通過してしまうことがあります。年始の成田空港での接触事故はその代表でしょう。おそらく凄まじい数のチーズの壁があった思いますが、いとも簡単に壁をすり抜けてしまいました。私はこの事故を聞いたとき、「自衛隊機」ということで誰もが「大丈夫」という思い込みがあったのでは、と感じました。チーズの壁はたくさん設けていたかもしれませんが、そのチーズの壁はスカスカで、どでかい穴だったのではないか、と。
チーズの壁の理論において重要なことは、チーズの壁が完璧であると過信しないことです。考えうる限りの穴(エラーの可能性)に目を向ける。つまりは必要な情報をインプットすることです。
そして次に集中。そのインプットした内容を集中して作業を行う。
最後にアウトプット。つまり確認のことですが、指差し呼称など、身振り手振り体を動かすことで、脳と体の両方で情報を合致させる。
人間である以上ミスはつきものですが、ミヤジマグループのチーズの穴は限りなく小さい穴であり続けられるよう「インプット」→「集中」→「アウトプット」のサイクルを続け、緻密なチーズを目指していきます。
東名鍛工(株) 代表取締役社長 宮嶋俊介